第10回:モザンビーク共和国
男性向け「第10回:モザンビーク共和国」はこちら
今回はモザンビーク共和国のトイレ事情をご紹介します。
第10回 モザンビーク共和国
アフリカ南東部に位置するモザンビークは、面積は日本の2倍以上、人口は日本の7分の1以下という、とても広々としたところです。
延々と続く乾燥した原野を車で走っていると、そこかしこに集落が見えてきます。そして、その中には必ずと言っていいほど小さな葦で囲った屋根のないトイレが、広い庭の一角に建てられています。
モザンビークには、一部の都市中心部を除いて給排水設備はほとんどありません。したがって一般的な住民のトイレは、地面に穴を掘って葦で回りを囲った簡易なものです。そして、掘った穴の上に、町のいたるところで売られている写真のようなモルタル製のフタ兼用便器(1000-2000円位)を買ってきて置くだけです。
土地の大部分が砂地であるため、穴の中の堆積物は陽と風に当てられ、乾燥して砂のようになってしまいます。
数年経過して次第に堆積物が増えてくると、トイレの引っ越しです。隣に同じ穴を掘り、その上にモルタルのフタ兼用便器を数人でヨイショと移動して葦で囲えば引越しは、それでおしまいです(写真-手前の穴が旧トイレ)。
空気が乾燥して風通しも良いせいか、それ程強い臭気や虫の発生も見られず、使用感は思ったより悪くなさそうです。

- 執筆:青年海外協力隊チリ派遣OG、千葉日建工科専門学校講師 松崎志津子
- 監修:日本トイレ協会
- コーディネーター:NPO法人 都市計画・建築関連OVの会