前立腺肥大症と過活動膀胱の手術 その他治療法

前立腺肥大症と過活動膀胱に対する手術やその他の治療法として以下のようなものがあります。

内視鏡手術

前立腺肥大症で閉塞が強く、薬物療法では十分な改善がみられなかった場合、まず検討されるのが内視鏡を利用した手術(TURP・経尿道的前立腺切除術)です。麻酔をした上で、尿道に直径1cm以下の細い内視鏡を挿入し、電気メスで肥大した前立腺の組織を削り取ります。電気メスのかわりにレーザーを使う場合もあります。手術には熟練を要します。所要時間は30分から1時間程度ですが、3~7日間ほど入院が必要です。熟練した医師が行えば、排尿障害の症状はほぼ消失し、その効果は手術の翌日から感じられることが多いようです。

内視鏡の先端からループという電気メスで肥大した前立腺を切除します。ただし、膀胱の出口にある前立腺を削り取った結果、膀胱の出口が緩んで、射精した精液がペニスから射精されずに膀胱内に逆流する(逆行性射精)ようになる場合が、まれにあります。精液は尿に混じって排泄されるので、健康上問題はありませんが、妊娠を望む場合、通常のセックスでは妊娠が成立しなくなるので、人工授精などの方法が必要になります。また、手術後、出血したり、一時的に尿が出にくくなる場合がありますが、これらは適切な処置を受ければ改善されるので、心配はいりません。

内視鏡手術

開腹手術

前立腺がかなり大きくなっている場合、ごくまれに開腹手術で前立腺を全て摘出することがあります。2~3週間の入院が必要になります。手術後セックスは可能です。
【 開腹手術(恥骨上式) 】
開腹をして、膀胱の中から前立腺を取り出す。

内視鏡手術

尿道ステント留置法

前立腺の肥大によって圧迫されている尿道の中に、「ステント」(金属製あるいはシリコン製の網目状の管)を挿入する方法です。ステントは一時的に入れるだけのものと、そのまま入れておくものがあります。この治療を受けると、すぐに尿の排泄はスムーズになりますが、血尿や尿失禁、感染症などの合併症を起こす場合もあるので、定期的なチェックは欠かせません。

処置後の症状と対処法
ステントを入れて尿道を広げたままの状態が続くと、尿失禁を起こしやすくなったり、感染症を起こしやすくなるなどの合併症が起こる場合があります。これらの方法は、一時的に症状が改善されても、前立腺肥大そのものは残っているため、処置をしたあとも、必ず泌尿器科で定期的なチェックを受けることが大切です。症状が再発した場合、同じ方法を再度行うか、別の方法にするかは主治医とよく相談して、納得してから決めるようにしましょう。

抗コリン薬

過活動膀胱の治療に使われる薬です。膀胱を収縮させる信号は、“アセチルコリン”という物質が神経の末端から出ることによって、膀胱に伝えられます。このアセチルコリンのはたらきを弱めることで、膀胱の異常な収縮を抑えるのが、抗コリン薬です。のみ始めてから1週間~1か月で効果があらわれます。治療開始後は、残尿量を検査しながら、薬の量を調節します。抗コリン薬の副作用には、口の中の渇き、便秘などがあります。最近では1日1回の服用で効果が高く、副作用の少ない錠剤も開発されています。

尿道ステント留置法

尿道バルーン拡張法

ゴム風船つきの管(カテーテル)を尿道に挿入し、前立腺の肥大によって圧迫され、つまっている箇所で膨らませ、しばらく放置してその部分を広げる方法です。尿道が開くので、症状は改善されますが、前立腺の肥大はそのまま残るため、ある期間を過ぎると症状が再発します。

温熱療法

尿道あるいは直腸から、マイクロ波や超音波を出す管(カテーテル)を挿入し、肥大した前立腺組織に当てて、熱で細胞を壊す方法です。からだへの負担が少なく、入院せずに外来でできる場合もあります。一時的に尿が出にくくなることがあります。

レーザー療法

下半身に麻酔をかけて肥大した前立腺にレーザー光線を照射する方法です。1週間以内の入院で、からだへの負担が少なくてすみます。一時的に尿が出にくくなったり、逆行性射精の後遺症が残る可能性があります。

レーザー療法

電気あるいは磁気刺激療法

電気や磁気で刺激を与えて、骨盤底筋の収縮力を強くしたり、膀胱や尿道の神経のはたらきを調整する治療です。

運動療法

「膀胱訓練」、「骨盤底筋体操」などで、機能の弱くなった膀胱や骨盤底筋を鍛えることによって、尿ももれなどの症状を軽くすることができます。

過活動膀胱『カンタン120秒解説』
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